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サロン経営のご相談を受けていると、売上の問題に見えて、実は「お金の使い方」の問題であるケースによく出会います。
学びへの投資をためらう、設備の更新を先送りする、値上げが怖い・・・・・
共通しているのは、お金を「減らさないこと」が判断の最優先になっている状態です。
お気持ちはよく分かります。
1人サロンは自分の稼ぎがそのまま生活に直結しますから、慎重になるのは当然です。
ただ、慎重さと「流れを止めること」は別物です。
今回は、40代・50代の1人サロン経営者の方に向けて
私自身がインドで体感した「お金は経済の血液である」という話と
それを日々の経営判断にどう活かすかをお伝えします。
まず身体の話から。
加齢とともに、ふくらはぎをはじめ下半身の筋肉は落ちていきます。
血液を心臓へ押し戻すポンプの力が弱まり、巡りが滞って、むくみや不調として表に出ます。
巡りの停滞は、その場所だけでなく全身の問題になる——これが身体の仕組みです。
経済もまったく同じ構造をしています。
身体における血液にあたるのが、お金です。
お金が一箇所で止まれば、そこから先の流れ全体が細っていきます。
頭では誰でも分かる話ですが、私がこれを「体感」として理解したのは、3年前のインド旅行でした。
ガンジス川の観光で有名な街の対岸は、建物ひとつない砂の土地です。
そこで観光客相手にラクダ乗りの商売をする人がいて、写真撮影を売り込む子どもたちがいました。
インドでは、トイレの案内からティッシュ1枚まで、あらゆる場面で
誰もが商いをしています。
私は小学生くらいの男の子2人に写真撮影を頼み、素晴らしい仕事をしてもらいました。
問題は支払いです。
手元には高額紙幣しかなく、現地の相場の何倍も、彼らの何十日分の収入にあたる金額を払うことになる。
旅は先がまだ長く、両替のあてもない。正直、怖かった。
現地のガイドは「頼んだわけではないのだから、払わなくてもいい」と言いました。
そのうえで、私に何度も問うたのです。
「払いたいのか、払いたくないのか」と。
私は「払いたい」と答えて、払いました。
そのときガイドが言った言葉が、今も残っています。
「このお金は、あの子たちから直接は返ってこない。でも、あの子たちが喜び、家族との会話が生まれ、現象が変わっていく。
巡り巡って、必ずあなたに返ってくる」
船が岸を離れるとき、その子たちは姿が見えなくなるまで、全身で手を振り続けてくれました。
支払った金額以上のものを、私はもうその瞬間に受け取っていたのだと思います。
この体験まで、私はお金を「目的と結果を得るための対価」としてだけ使ってきました。
学びに払えばスキルが返ってくる、服に払えばブランディングになる。
支払った相手から、直接、見返りを受け取る取引の発想です。
もちろんこの発想は経営に必要です。
ただ、それだけだと「見返りが確実に見えない支出」がすべて怖くなります。
そして経営には、見返りの経路が読めない支出、つまり
巡って返ってくる類のお金が、確かに存在するのです。
これらは支払った相手から直接回収できません。
しかし数年単位で見ると、紹介、信頼、思わぬ声かけといった形で、確実に経営に返ってきます。
私のサロンが15年続いた理由を振り返っても、この種の「巡らせたお金と手間」が効いています。
精神論で終わらせないために、判断の目安を3つ挙げます。
1. 「払いたいか」を判断基準に加える
損得の試算はしたうえで、最後に「自分はこれを払いたいのか」を問う。
払いたくないお金を損得だけで払うと続きませんし、払いたいお金を怖さだけで止めると、巡りが細ります。
2. 「巡り予算」を小さく決めておく
月に数千円でも構いません。直接の見返りを求めない支出枠をあらかじめ決めておくと、その都度の怖さと迷いが消えます。
枠の中では気持ちよく流す。枠を超えるものは慎重に検討する。
3. 受け取る側の巡りも止めない
値付けを必要以上に安くすることは、謙虚さではなく、自分のところで巡りを止める行為です。
適正な対価を受け取ってこそ、次に流すお金が生まれます。
血液は、流れているから身体を養えます。
お金も、流れているから経済とご縁をもたらします。
慎重であることと、握りしめることは違う。
「払いたいか」と自分に問い、小さくてもいいから気持ちよく流す練習を、今月から始めてみてください。
この内容は、毎朝6:30配信のstand.fm「55歳すっぴん朝ラジオ」#145でお話ししています。 →
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