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2026年7月、個人サロン経営者の仲間と共に高野山の宿坊に滞在し、初めての写経を体験しました。
一見、サロン経営とは関係のない話に思えるかもしれません。
しかし書き終えたとき、日々サロン経営者の相談に乗るなかで感じてきた
「うまくいく人・停滞する人の分かれ目」と、まっすぐつながる気づきがありました。
40代・50代で「このままでいいのだろうか」と立ち止まっている方に向けて、今回はその体験を共有します。
滞在したのは、高野山にゆかりの深い寺院。同行者たちと大きなテーブルを囲み、般若心経の写経に取り組みました。
直前までにぎやかだった全員が、筆を持った瞬間から無言になります。
お手本を上からなぞるだけの作業なのに、気づけば「いま書いているこの一文字」だけに意識が向いている。雑念が削ぎ落とされていく感覚は、想像以上のものでした。
終了後に感想を共有すると、全員が同じことを口にしました。
「無」という字が、何度も出てくる。
形あるものは、あるようでない。ないようで、ある(色即是空・空即是色)。理屈で理解する前に、手を動かすことで体感できる世界があると実感した時間でした。
般若心経の結びにある「羯諦羯諦(ぎゃーてい ぎゃーてい)」という一節。今回初めて、その意味を知りました。
これは古代インドのサンスクリット語の音をそのまま漢字に写した「音写」で、意味は「行こう、行こう。悟りの世界へ、共に行こう」
つまり、呼びかけです。
経典の大部分で「空」の理屈を説いておきながら、最後は理屈を手放して「行こう」と背中を押す。
この構造は、経営の学びとよく似ています。市場分析も戦略も大切ですが、最後の一歩は理屈では踏み出せません。考え抜いた先に残るのは「やるか、やらないか」だけです。
なぜこの体験が、サロン経営者の方に関係あるのか。ここで、あるデータを紹介します。
オーストラリアの緩和ケア専門家ブロニー・ウェア氏がまとめた「死ぬ瞬間の5つの後悔」。
長年、終末期の患者に寄り添った記録から導かれた第1位は、次のものでした。
「他人の期待ではなく、自分に正直に生きればよかった」
米国の90歳以上を対象にした調査では、90%が「もっと冒険しておけばよかった」と回答。日本でも、緩和ケア医の大津秀一氏が1000人以上の患者から同様の後悔を聞き取っています。
国も時代も違う人々が、最期に同じ後悔をする。この事実は、いま働き方に迷っている40代・50代にとって、無視できない示唆を含んでいます。
私はこれまで2,000名以上の個人経営者の相談に乗ってきました。売上が停滞している方の多くは、技術や努力が足りないのではありません。
「他人の正解」に合わせた経営。流行のメニュー、誰かの真似の発信、値引きでの集客・・・を続けるうちに、自分のサロンの「選ばれる理由」が見えなくなっているのです。
写経の最後の呼びかけと、終末期の後悔のデータ。この2つが指し示す方向は同じだと感じます。
残りの人生をどう働くかを決められるのは、自分だけ。
そして「自分に正直な経営」は、我慢の経営より強い。
自分の人生経験から「選ばれる理由」を掘り起こし、商いの形に変換していく。
私がリブランディングを提唱し続けているのは、それが売上のためだけでなく、経営者自身が後悔なく生き切るための方法だと確信しているからです。
写経を終えて浮かんだのは、シンプルな問いでした。
「今日この瞬間、本気で生きてますか」
なぜ生まれ、どこへ行くのかは誰にもわかりません。ただ、生かされていることだけは確かです。だったら、他人の期待ではなく、自分に正直に。
どうせ生きるなら、人生を楽しむしかない
それが、55歳の私が高野山から持ち帰った答えです。
この内容は、毎朝6:30配信のstand.fm「55歳すっぴん朝ラジオ」#136でお話ししています。 →
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